1.そもそも溶接って何だろ??
日本工業規格(JIS Z 3001-1)で定義されている溶接の定義は
下の通り書かれています。
11102 金属溶接
2個以上の金属を接合される母材間に連続性があるように、熱・圧力又はその両方によって一体にする操作。
2個以上の金属を接合される母材間に連続性があるように、熱・圧力又はその両方によって一体にする操作。
2個以上の金属を熱とでくっつけること。でもくっつける事だけじゃなくて一体にしないといけないですよ。要は、金属の表面だけじゃなくて、中もしっかりくっつけて1つのものにしないといけないんですよって事ですね!
2.溶接の仕組み
溶接金属は分子レベルで見ると、原子同士の化学結合によってつながっています。
化学結合とは、原子やイオンが集まって分子や結晶を作るときの、原子やイオンの結びつきのことです。化学結合にはイオン結合・共有結合・金属結合の3種類あります。
溶接される材料を加熱してくっつける「融接」や、熱や圧力を加えてくっつける「圧接」、ろう(鑞)を使ってくっつける「ろう接」といった接合方法の違いに関わらず、全て化学結合です。
3.こんなにあるの!!溶接の種類
私も溶接を勉強する前まで、こんなに種類があるなんて知りませんでした。熱で溶かしてくっつけるんでしょ。くらいにしか思い至りませんでした。
区 分 | 補助記号 | 備 考 | |
---|---|---|---|
融接 | ガス溶接 | ||
アーク溶接 | 非消耗電極式 | ティグ溶接 | |
プラズマ溶接 | |||
消耗電極式 | 被覆アーク溶接 | ||
マグ溶接 | |||
ミグ溶接 | |||
セルフシールドアーク溶接 | |||
サブマージアーク溶接 | |||
レーザー溶接 | |||
電子ビーム溶接 | |||
エレクトロスラグ溶接 | |||
圧接 | ガス圧接 | ||
摩擦圧接 | |||
抵抗溶接 | 重ね抵抗溶接 | スポット溶接 | |
プロジェクション溶接 | |||
シーム溶接 | |||
突合せ抵抗溶接 | アプセット溶接 | ||
高周波誘導圧接 | |||
突合せプロジェクション溶接 | |||
フラッシュ溶接 | |||
バットシーム溶接 | |||
拡散接合 | |||
超音波圧接 | |||
爆発圧接 | |||
ろう接 | ろう付 | ||
はんだ付 |
溶接法の呼び方について
融接について
融接は、熱源によって名前が変わってきます。
例えば、「ガス溶接」はガスの炎(バーナー)を使います。レーザー光線を使う溶接は「レーザー溶接」。アーク放電を使うものは「アーク溶接」です。
圧接について
圧力をかけて溶接する圧接は、溶接の原理によって名前が変わってきます。
例えば、ガスの炎で接合部を熱した後に圧力をかけて接合する方法は「ガス圧接」。接合部に電気を流して、発生した抵抗発熱を利用して接合する方法を「抵抗溶接」と言います。
ろう接について
接合部の隙間に、ロウを流して溶接するろう接は、
ろうの融点450℃以上のものを使うのは「硬ろう付(ブレージング)」、450℃以下なら「軟ろう付(はんだ付)」と言います。
まとめ
正直、今まで「はんだ付」しか聞いたことがありませんでしたが、溶接したい材料(母材)によって、こんなに方法があるんですね。
次は、世の中で一番使われている溶接方法「アーク溶接」について、解説していきます。