溶接ってなんだろ?!鉄でバチバチするやつ?そんな曖昧なイメージしかなかった私がイチから勉強しましたので、まとめてみます。
1.溶接の意味
日本工業規格JIS Z 3001-1 (溶接用語 – 第1部:一般, 2008年制定)
『2個以上の母材を、接合される母材間に連続性があるように、熱、圧力、又はその両方によって一体にする操作*』
例えば、こんなイメージのケースです。
母材に対して連続性がありますね。
見た目的には、完全に一体化しているように見えていても連続性がなければいけません。中が繋がっていなければ完全にアウトです。
このような手抜き工事の事例として、1995年に発生した阪神・淡路大震災の後に大手新聞の1面トップで報道されていました。
つい最近では、東京都八王子市南新町のアパートで外階段の一部が崩落し、住民の女性が死亡した事故も記憶に新しいです。
2.2つの母材が完全に一体化、これが溶接
2つの母材が完全に一体化しないのは、強度不足になるのは当然です。
冶金的接合法である溶接では、両母材が連続性、一体性をもつように接合できることが最大の特長といえます。
溶接の不備で人の命が奪われる事件が実際に起こっている、本当に怖いことです。技術をきちんと習得し、プロとしての仕事をする、そんな当たり前のことを今一度考え直したいです。
3.溶接(冶金的接合法)のメカニズムとは?
マク口またはミクロな視点から基本的な事柄を記していきます。
次に、溶接の基本的なメカニズムは、まず溶接部をミクロな視点で考えることが大事です。溶接は、接合部において融接や圧接、ろう接といった接合方法の違いに関わらず、原子間の化学結合(原子間引力による結合)によってつながっています。
化学結合ってなに?
金属結合やイオン結合、共有結合などの種類があります。
金属結合は母材が金属どうしの溶接で生じます。また、イオン結合や共有結合は、金属とセラミックスの接合やガラスの接合などで生じます。
しっかり溶かさないとマズイ。
私たちが一般的にイメージする「溶接(溶融接合)」は、互いの母材が溶融し合って接合しているんですね。そうなると、お互いに接している部分が汚れていたりするとしっかり溶けない、くっつかないんです。ですので、溶接する前に接合面をきれいにしなくていけません。
ろう接について
母材を直接溶かすのとは別に「ろう接」があります。
母材より低融点の金属(合金)である「ろう」 やインサート材などを利用してくっつける(一体化させる)やり方です。
この形態の接合で重要なことは、ろうやインサート材が溶融することによってできた液相が、接合部のすき間を確実に埋めることで す。そのためには、ろうやインサート材の「母材とのぬれ性」と「流動性」が重要にな ります。
「ぬれ」と「流動性」を向上させるためにフラックスと呼ばれる溶剤を使用したり、熱の与え方を工夫するなど様々なやり方があります。
フラックスと呼ばれる溶剤は割れなど が発生しやすい材料の接合や異種金属の接合、セラミックスなど非鉄金属の接合に広く用いられています。
続きはまたー。
