工作基本を終えて、今度はグラインダの講義です。
ディスクグラインダーの扱いは、危険を伴いますので、取り扱う前に法定に沿った特別教育を受けなければいけません。
グラインダは使い方を誤るとめっちゃ危険!
テキストには事故の例が紹介されていますが、どれも想像するだけで怖いものばかりでした。例えばこれ。
「当日、被災者は熱交換器の補強板の内円側をガス溶接し、その後、溶接開先を仕上げるため。携帯用空気グラインダで研削作業を行っていた。研削(平形)といしが摩滅したので取り替えようとしたが、通常使用している寸法の平形といしがなかったので、そばにあった厚さがやや薄い平形といしに取り替えた。
そして数十秒空転して異常のないことを確かめた後、研削作業を再開したところ、1分ぐらいたった時、ガタッとショックを感じたので、スイッチを切った瞬間、研削といしがほぼ3等分に割れて飛散し、その一片が左足に当たり休業1ヶ月の打撲傷を受けた。」

これが顔や頭に当たっていたら。。。その場にいたら、卒倒してしまうかもしれません。
この他、死亡事故のケースなども記載されていました。
グラインダの事故。起こさないために傾向と対策をしっかり考えよう
原因は、研削といしの最高使用周速度を超えて使用したこと。
取り替える前と後のといしで、最高使用周速度は50m/s→30.5m/sに変わっていた。グラインダの無負荷回転速度は9000min-1(rpm)なので、これに直径150mmの研削といしを取り付けた場合、周速度は70.7m/sとなる。取り替えたといし30.5m/sの2.3倍にもなり安全係数2を超えるため破損したと考えられる。
参照元:「グラインダ安全必須」より
グラインダ使用前に必ず確認項目
グラインダの本体に記載されている
(1)無負荷回転速度
(2)使用できる研削といしの直径
研削といしに記載されている
最高使用周速度 寸法がグラインダに適合しているかどうか
法令遵守する(第118条 労働安全衛生規則など)
(1)使用時は1分間の試運転の義務がある
(2)といしを取り替えたときは3分間異常試運転をする
本当に災害件数が多いらしいので、きちんと受講せねば!
グラインダの種類
(1)手持ち式のグラインダ→サンダー・ディスクグラインダ
手持式グラインダは使用動力により、電気グラインダと空気グラインダに大別されます。
電気グラインダ
使用している電動機は、誘導電動機(インダクションモーター)か直巻電動機
(シリースモーター)です。
空気グラインダー
0.6MPaに圧縮された空気によって回転するモーターを内蔵。
(2)卓上グラインダー
その名の通り、写真のような卓上で使用するグラインダーです。
取り扱いの規定
・ワークレストと、といしの隙間は1〜3ミリ
・調整片とといしの隙間は3〜10ミリ
・といしの覆いはワークレスト65°以内
研削といしについて
といしの寸法の表記
外経×厚さ×穴経 この3点を確認する
といしの構造(三要素)
と粒(ブレーン)・結合剤(ボンド)・気孔(ポア)
と粒は、加工物を削る刃物・結合剤は、刃先を支持するホルダ。切り屑を取り除くために必要な隙間のイメージ。
砥粒の硬さ
A アランタム(じん性高い・やわらかい)
C カーボライト(じん性低い・堅い・もろい)
粒度番号が大きい=砥粒のサイズが小さい
結合剤
ビトリファイド(V) 水分に強い
レジノイド(B) 水分・高速に弱い
繊維補強材レジノイド(BF)
軸付といし
チャック 軸付といしの軸の長さは30〜40mm(標準)
オーバーハングの値は13mm以下
まとめ
割とざっくりノートをまとめたものなので、詳しくは書いていませんが、とにかくグラインダを使用するときは確認!確認!ですね。
講習時間を終えたら、実際に手持ちグラインダーと卓上グラインダを作動し、使用しました。手持ちグラインダーは思ったより重量感があります。おそるおそるスイッチを入れるのですが、なかなかの振動!これを落として足なんかに落としてしまうと、と考えるとすごく慎重になります。
しっかり講義で学んだことを頭に入れて試運転を終えました。